塵はあっという間に積もります
塵はあっという間に積もります
11月もあと僅か、あまりの暖かさに11月であることさえ忘れてしまいそうです。それでも日々は確実に過ぎて行きます、もうしばらくすれば愈々、年の瀬。
年末年始の過ごし方も随分と変わっては来ましたが、お寺は変わらず、年末は掃除に追われ、年が明ければ本山のお勤めに忙しくなります。
皆さんも12月の声を聞きましたならば、せわしない思いは避けがたいのではないでしょうか。
さて、東福寺にはご存知のように紅葉の名所、「通天橋」があります。
10年ほど前までは、11月の暦になりますと、多くの皆さんがお越しになられ、ご近所の皆さんにはご迷惑をお掛けしておりました。
ここ数年は流石に11月中旬からはそれなりに多くの皆さんがお越しになられますが、それでも随分とお越しの方々は減りました。
若い皆さんの「SNS」の情報の取集もあり、紅葉の名所が分散致しているように感じています。
霊源院もお知らせいたしていますように、今月の16日から12月1日迄は御朱印の授与を通してご縁をお繋ぎ頂いています。
蓮華堂、絆縁堂へお参りの皆さん、そして水子供養へお越しの方々にも少しご迷惑をお掛け致しています。
何卒、今暫く御許容頂きます様お願い申し上げます。
さて、御朱印授与へお越しの方々がゆっくりと本堂へお参り下さり、新しく出来ました「野鳥の庭」の前でゆっくりと寛いで下さっています。
今年は息子がお越しの皆さんにゆっくりと霊源院で寛いで頂きたいと様々な工夫を致し、皆さんをお迎え致しています。
どなた様もゆっくりと寛いで下さり、お帰りの時は「とても、ゆっくりと良き庭に出会えました」と過分のお褒めの言葉を頂くことも少なくありません。
息子共々、嬉しく、甲斐を感じています。
そして、多くの皆さんがお声掛け下さり、気さくにお話し下さいます。
先日もスタッフの女性が御用意下さいます、熱々の京番茶を飲んでらっしゃる方がおられましたので「美味しいお茶でしょう、どちらからお越しですかと」お話しを向けますと気さくに「東京からです、ところでお寺さんは庭と中のお掃除が大変でしょう、綺麗にされていて感心致しています」とこれまた過分のお言葉を頂きました。
そうです、庭の落ち葉、そして建物の中の拭き掃除を怠りますと、本当に驚く程早く汚れが見えるようになります。
外の庭は毎日息子がブロワーという機械の手助けを借りてですが、毎日朝に掃除を致しています。
お寺の中の廊下等は私の担当で、先ずは毎日を心掛けてお掃除を致しています。
落ち葉の片付けであれ、廊下のお掃除であれ、「そのうち、或いは何時か、まとめて」と思っていますと「塵」は直ぐに白く積もり汚れが見えてきます。
禅の言葉に「時時に勤めて、払拭せよ」(じじにつとめてふっしきせよ)という言葉があります。言葉の通り常に小まめに点検、そして綺麗を保ちなさいということです。
勿論、家の中、庭はその言葉の通り常に綺麗が良いのです。
只、それと共に大切なことは、掃除を欠かさぬ心と同じく、私の心に溜まってきている「塵」も又、常に目を凝らし払うことを継続致さねばなりません。
掃除と同じ、その心を忘れぬように致しておれば、日々の生活、そして家族、大事なお友達との関係も良き形で繋がって行くのではないでしょうか。
積もった塵、落ち葉を見た時はそんなことを思い起こして頂きたく願います。合掌